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[ 大日本印刷 東京大学生産技術研究所、家畜改良センターと共同でマイクロバイオリアクターシステムを開発 ]

大日本印刷(DNP、北島義俊社長)は、東京大学生産技術研究所、独立行政法人家畜改良センターと共同で、ブランド牛などの家畜の受精卵を個別に管理しながら体外で培養し、画像認識技術を活用してその発育状況の判定を支援し、受胎率の向上を図る「マイクロバイオリアクターシステム」を開発した。
 近年、黒毛和牛などのブランド牛は、体外受精した受精卵を7日間体外で培養し、比較的発育の良い受精卵を乳牛に移植する方法が主流ですが、受胎率が40−50%に留まる点が課題とされている。受胎率が低い原因は特定できないものの、一般的な体外培養手法である「液滴培養法」では、シャーレ上の一液の中に複数の受精卵が混在するため個別認識を厳密に行うことができないことや、発育の良さを判断する精度が低いなどの要因が考えられる。
こうした課題に対し、今回三者が共同開発したマイクロバイオリアクターシステムは、実験環境下で液滴培養法と同等以上の発生・受胎となる結果を得ており、75%以上の受胎率が期待できる良質な受精卵を識別できる可能性がある。このシステムは、受精卵を1つずつ分離して培養する容器「簡易型リアクター」と、画像認識技術により受精卵の発育状況の判定を支援するソフトウェアで構成されている。
DNPは、印刷を通じて培った微細加工技術と情報処理ノウハウを活用し、簡易型リアクターや画像認識ソフトの開発などを担当した。
【システムの概要】
■ 簡易型リアクター
受精卵が1個入る程度の微細なwell(くぼみ)*が25個並んだwell-of-well型の容器で、それぞれのくぼみで受精卵を個別に管理する。シャーレの材質には一般的なポリスチレン製を用いており、従来の液滴培養法と同様の使い勝手が得られる。また、くぼみのサイズや形状は、顕微鏡での観察の際、複数の受精卵を同一視野内に観察でき、良好な視認性が得られる設計としている。
*1個のくぼみのサイズは、径290μm、深さ170μmで、ピッチは400μm
■ 発育状況判定支援ソフトウェア
個々の受精卵が分割し発育していく過程の画像を取得し、形態のパターンごとに分類することで、作業者による発育状況の判定を支援する。
 DNPは、2011年12月に簡易型リアクターの販売を開始する。今後も共同研究によって同システムのさらなる改良に努めるほか、受精卵のセット(播種)や回収、培養液の供給などを自動的に行う次世代型システムの開発にも取り組んでいく。次世代型システムでは、微小電子機械システム(MEMS: Micro Electro Mechanical Systems)の技術を応用して微細な流路とくぼみがパターン形成されたマイクロ流路チッップを利用する予定。
なおDNP・東京大学生産技術研究所・家畜改良センターの三者は、2011年9月9日に開催される第18回日本胚移植研究会大会(神戸大学にて開催)のランチョンセミナーにて、本研究成果の発表を行う。

※同研究成果は、(独)生物系特定産業技術研究支援センターの「生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業制度」に基づいて実施中の「家畜胚体外培養用マイクロバイオリアクターシステムの開発」(2007〜2011年度)により得られたもの。同研究は、東京大学生産技術研究所 酒井康行教授、藤井輝夫教授、竹内昌治准教授、家畜改良センター 今井敬氏と協働している。

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